小学校の非常勤講師という仕事の難しさについて語りたい。

非常勤講師

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こんにちは、みやです。

前回は、非常勤講師の仕事内容についてお話しました。

小学校非常勤講師(時間講師)の仕事内容についてまとめました。

様々な仕事内容があり、あ、これなら私でもできるかも!

と思われた教員免許を持った方もいらっしゃったかもしれません。

しかし、今日はがっつり現実的な話をしたいと思います。

時給が高いのには理由がある

私は都道府県の教育委員会で雇われる県費職員の非常勤講師をしていますが、時給は2800円です。

なかなか良いですよね。探してもあまりないくらい高時給です。

この時給につられてぜひ非常勤講師になりたい!と思う方もいそうですが、やっぱり高いには高いだけの理由があるんですよね。

小学校の非常勤講師をしてみて思ったこと。それは、

専門的な知識&技術がないとできない仕事だな。

ということです。

医者とか、美容師とかと同じ。きちんと知識をもって、技術をもっていないとできない仕事。

体育の授業だけ受け持つ。とか、家庭科の時間だけ受け持つ。

ときくと、学級運営を任されるわけじゃないし、授業さえすればいいんだから楽勝じゃん!

と思いがちですが、実際は違います。

逆に大変なんです。

担任の時の方がずっと気楽に授業をできていました。

他人のクラスで急に授業をするということの難しさ

どうして非常勤講師が授業をするのが大変かというと、ずばり、自分のクラスではないからです。

知らない学校の知らない先生のクラスの知らない子ども達相手に、ある日突然現れた見知らぬ講師が授業をする。

それって、本当に本当に大変なことなんです。

これが、中学、高校ならそこまで大変ではないかもしれないですね。生徒も最低限のルールやマナーを身に付けているケースが多いので。

でも、小学生の児童なんて、まあ私もやんちゃな息子がいるので語弊を恐れずいいますが、動物みたいに野性味あふれる子がうようよいますから・・・

まあ初日から自分の思うように授業を進めようったってそうはいかないことが多いです。

そもそも、子どもたちの名前も知りません。手を挙げた子の名前がわからないのでいちいち座席表で確認します。

黒板やマグネット、様々な教具だって自分が思っていたのと違ったりします。

子どもに慣れる時間も何もないまま、急に教室に放り込まれて授業をしなければならない。

どの子ができる子でどの子が遅れている子で、どの子が発達障害をもつ子なのかもわからない。

授業をする上で最も大切な「児童理解」がゼロの状態で急に授業をしなけりゃならない。

辛いですよ・・・

今でも思い出します。ケガをして休んだ先生のクラスに入って授業を行った時、子どもたちと初対面の最初の授業が道徳だったんですよね・・・

子ども達との対話が大切な科目だったのでとても緊張し、うまくいかなかったなぁ・・・・

担任の作ったルールの中で教えなくてはいけない難しさ

非常勤講師は、正規職人の採用試験に落ちてしまった若い子がなる場合もあれば、私のように、過去に担任として働いていた人間もいます。

教師って、自分なりの最善のクラスのルールや授業中のルールを考え、編み出しているんです。

自分が一番やりやすいルールを。

具体的に言うと、例えば、

号令は立ってするか、座ってするか。

発言するときには立つのか、座ったままなのか。

友だちの発言と同じ意見の場合は「同じでーす」というとか言わないとか。

 

とにかくたくさんの細かい細かいルールがクラスごとに決まっているんですね。

私にも、私が考える「最も授業を円滑に進められるクラスルール」てのが存在します。

しかし、講師は、自分のルールを子どもに強制することはできません。

そのクラスの担任のルールに従うのみです。

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当たり前ですよね。あくまでも講師は担任をバックアップする存在に過ぎないのですから。

それがとても授業をやりづらくさせるんです。

図工とか音楽、家庭科のように、特別教室で行う授業で、しかも、年度末までずっとその科目を講師が受け持つなら、その時間だけは別ルールってのはアリです。

でも、それ以外の科目だとやっぱり担任のルールに従います。

途中でまた担任が復帰した時に講師のルールになっていたら担任は困惑しますし、子どもだってルールがころころ変わったら可哀想です。

自分の思うように自由に授業ができない。というのが、ものすごく講師にとってはストレスです。

決められた時間に、決められた学習内容まで進めなければならない難しさ

担任だった時って、「ここまで進めよう」と思った学習内容の半分までしか進まないことなんて珍しくなかったです。

その時の子どもの調子だって影響するし、いい意味で授業が脱線して子どもの興味関心や理解を深めることもあったし。

その時間に終わらなかった分は、他の時間に取り戻せばよかったんで、別に計画通りに授業が進まなくてもなんてことなかったんですよね。

でも、講師は違います。あらかじめ、

月曜日の2時間目に算数の教科書112ページとドリルの25ページまで終わらせる。

というように、しっかりと計画を立てられていることが多いので、その通りに進めなければなりません。

終らなかった。とか、進み過ぎた。ということがあると担任や他の講師に迷惑がかかることがあります。

授業準備が大変

それに伴って、綿密な授業準備が必要になります。

時間配分までしっかり計画します。

毎回研究授業かってくらいしっかり準備をしていると、時給2800円じゃ割に合わないよ!て時もあります(涙)

超ベテラン講師ならそんなことないんでしょうけどね!

担任との打ち合わせ時間はほぼナシ

非常勤講師の仕事の辛いところは、一人っきりで戦わなければならないところです。

わからないことがあったら担任に聞けばいいやって思われるかもしれないですが、基本的に講師がいる時間は担任はそこにいません。

担任は、他の仕事をしていたり、研修や出張に行っていたりしますので、相談をしたりされたりする時間はほぼないんです。

これ、初回の授業ですらそうですからね。

副校長に教室を案内されて、急に授業始めなきゃならないって時もあるくらい。

初日の授業終わった後、職員室にもどる道がわからないってこともよくある(笑)

それくらい何もかもが急に始まるのが、非常勤講師です。

子どものこと、授業の事で悩んでも相談相手がすぐそばにいない。相談する時間がないっていうのは辛いものがあります。

職員室でダラダラする時間もないので、他の教師とおしゃべりする余裕もないですし。

孤独な立場であることが多いです。

まあ、子どもたちと良好な関係が築ければ寂しくなんてないんですけどね!

時給につられず、覚悟して挑むべし!!

いかがだったでしょうか。

講師の仕事って、楽なようにみえますよね?

私も自分が担任だった時には正直舐めてました。

担任が上で講師が下みたいな印象ありました。

でもでも、全然違う。

本当に実力がないとできないのが講師。

プロの仕事、それが講師。

私はそう思います。(もちろん、もっと志低く適当にやってる講師もいるっちゃいますけど・・・)

時給は高い場合が多いですが、それに見合った働きが求められる仕事です。

気を抜くとあっという間に子どもに見下されます。

しっかり心の準備をしてから講師になってほしいと思います。

私も引き続き頑張ります!!!!

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コメント

  1. ケイ より:

    こんにちは。こちらの記事をそうそう!と頷きながら読まさせていただきました。書いてくださりありがとうございました。

    ひとつお尋ねしたいことがありメールしました。長文になりますがお返事いただけると嬉しいです。

    私は非常勤講師として小学校で働いています。3年目です。専科として全学年全クラスに関わっています。
    その中でひとつ学級崩壊まではいっていないのですが授業をするのが難しいクラスがあります。おしゃべりが止まらないなど授業に集中できてない状態です。

    担任の先生にはまだ直接お話ししていません。昨年度もその先生が持たれた別クラスが大変でクラスの様子をお話しし、授業にも入っていただくことも度々ありました。入っていただいた時には静かにはなります。ただ昨年度一年間そのように過ごし3月に感じたのは子どもたちは確かに授業中静かにはなったけど、気持ち自体が私や授業に向いているわけではないということでした。うまく言葉にできませんがモヤモヤした気持ちが残りました。(あくまで個人的な感想です)

    管理職の先生は子どもたちは人懐っこくてかわいいところもいっぱいあるけど、大人に対する態度が学びきれてないと言っています。

    私は今年度そのクラスに対してどのようにしていくのがいいのでしょうか?
    週に1,2回授業に行くだけの関係で、それでも私が一生懸命工夫をしたら良い授業ができるのでしょうか。

    正規の教員をされた経験を持つみやさんにアドバイスをいただきたいです。よろしくお願い致します。

    • sensei より:

      ケイさん、コメントありがとうございます!非常勤講師3年目なんですね。お疲れ様です。
      全学年全クラスの専科というと、図工か音楽かな?と想像しながら読ませていただきました。
      非常勤講師で専科を受け持つのは大変ですよね。色んな担任とうまくコミュニケーションを取らないといけないのも気を遣いそうですね。
      ケイさんのおっしゃる、子供は静かにはなるけど、気持ちが自分に向いていないという状態、ものすごーーくわかります!!非常勤講師のあるあるな気がします。
      もどかしく、寂しい気持ちになりますよね。

      ケイさんが専科の先生であるなら、子供たちを、もう思いっきり自分色に染めちゃっていいと私は思います。
      担任のやり方と違っていいんです。また、そうしている専科の先生はたくさんいらっしゃいます。学級崩壊しているクラスでも、専科の時間だけはキチッとできるってケースも結構あります。

      その上でどうしてもそのクラスだけうまく授業が進められないなら、包み隠さず担任に相談していいと思います。
      他のクラスはみんなできていることが、このクラスはできないんだということを伝え、ケイさんのやり方は間違っていないということを暗に伝えた方がいいです。

      このクラスの時だけどうしても騒がしくて。どうしたら私語が減りますかね?みたいな感じでアドバイスを求めているフリをして話し始めるのがいいと思います。

      ただ、そうすると担任がまた授業に現れそうですね。
      担任が入ると子供たちが静かになるって、地味に傷付きませんか?私は嫌でした。

      結局は、絶対に私語を許さないという指導をするのが一番ケイさんが楽になる道なのではないかと思います。
      必要であれば、うるさい子達にペナルティを与えるなどしてもいいのではないでしょうか。

      曖昧なことしか言えず申し訳ないですが、今年度はまだ始まったばかりですし、今であれば子供を矯正できる気がします。
      頑張ってください!!

      • ケイ より:

        ご丁寧なお返事ありがとうございました。
        非常勤あるあるなんですね。また、学級崩壊していても専科の時にピシッとする場合もあるんですね。私の周りに同じような立場の人がいず、一人で悩んでました。お返事にとても励まされました。またがんばってみます。

        もう一つだけ質問させてもらってもいいですか。ペナルティにはどのようなものがありますか?給食のおかわりなしとか休み時間の居残りとかは難しく、授業の中で完結させたいです。具体的になるべく多く教えていただけると嬉しいです。

        お忙しい中申し訳ありませんが、お返事お待ちしております。よろしくお願い致します。

        • sensei より:

          そうですね。休み時間NGとなると難しいかもしれないですね。

          私が学級崩壊クラスに補助に入った時に子供たちに伝えることは、
          みんながやるべきことを自分だけサボって許されると思うなよ
          ということです。
          ですから、授業中にやるべきことをやらなかった子は絶対許さず、逃さず、やらせるようにしています。
          そうやってギッチギチに厳しくすれば、次からはかなり態度が改善されると思います。
          専科の場合、それは休み時間にやらせるのがスムーズだと思うのですが、中休みや昼休みなどに呼び出してやらせることはできませんか?
          もちろん、担任にもその決まりを伝えておいて、約束の時間になったら教室から連行してもらうといいと思います。

          もしくは、子供たち自身にペナルティを決めさせるという手もあります。このクラスだけ私語が多くて困る。真面目にやっている子たちの邪魔になるような言動は許されない。そういう人たちにペナルティを与えたいんだけど、どうしたらいいかな?
          って、相談してみては??

          具体的な案が挙げられず申し訳ないですが、参考にしていただけると嬉しいです。

          • ケイ より:

            どうもありがとうございます。いろいろと試しながらやってみたいと思います。

            また、非常勤の立場から発信をしていただきありがとうございます。正規の先生の発信はよく見かけるのですが、非常勤の方の記事はあまり見かけなかったので見つけた時は嬉しかったです。とても励まされました。がんばります^ ^どうもありがとうございました!

          • sensei より:

            こちらこそ、少しでもお役に立てたなら今後のブログの励みになります。
            講師は大変ですが、うまくいきますよう願っています!

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