こんにちは、みやです。
クラス替えの方法第三弾は、いよいよ「教師はどうやって子どもを分けているのか」
というところについて暴露したいと思います。
目次
実はこうやって分けています!
担任は、子ども一人ひとりの名前が書かれた紙を用意します。
その紙に以下のポイントについて詳しく記入し、学年全員分の紙を並べてあーでもないこーでもないと、話し合うのです。
では、その紙に書かれた内容、つまり、分け方のポイントについて一つひとつ解説します。
学力レベル
一人ひとりの学力を5段階で表します。
授業円滑に進めていくためには、学力レベル1の子どもが集まっていても進まないし、5の子どもが多すぎるクラスはそれはそれでやりにくい。
全員で足並み揃えて学習していくためには、1~5、全ての子どもがまんべんなくいるのが理想です。
たとえば、100人中10人が非常に学力が低く、レベル1だとして、その10人が同じクラスにかたまってしまったら、そのクラスの授業は円滑に進まないですし、その他の子どもが授業中退屈してしまうかもしれません。担任も、10人をフォローするのは大変ですからね。
どのクラスもまんべんなく同じくらいの学力になるようにします。
授業中の発言の多さ
ここでいう、発言の多さというのは私語の多さではなく、挙手して自分の意見をどれだけ発表できるか、です。
授業をスムーズに進めていくためには、子どもと教師との会話のキャッチボールが必要です。
教師がどれだけ発問しても(子どもに問いかけても)、しーん、、、と無反応じゃ困るんです。
特に、ここでは、上記の学力レベル5の子どもが重要になってきます。
いくら勉強ができても、とても大人しい性格で、みんなの前で喋るのは苦手な子って結構います。
そういうタイプのレベル5ばかりを集めても、授業は回っていかないんですよね。
レベル4とか5でしかも、発表もガンガンします!っていう学習面でのエースがクラスにゼロじゃ困るんですよ。
そういう賢い子たちのちょっとしたつぶやきや、気づきが、クラス全員の思考を深めることって毎日のようにあるんです。
発言の多さ、クラス分けに重要なポイントです。
運動能力
特に、高学年になってくると、運動能力の差が歴然としてきます。また、運動会でもリレーはあるし、クラス対抗の球技大会や水泳大会など、運動関係の行事が増えてきます。
そして、そうした行事を通して、友達と励ましあったり、協力しあったりし、練習に励むことで子どもは大人が驚くくらいの成長をみせます。
そんな中、あまりにも運動が苦手な子ばかりが集まるクラスがあったらどうでしょう?
いくらやっても最初から勝ち目がないと悟った子どもたちは無気力になったり、自信をなくしたりしてしまうでしょう。
逆に、運動ができる子ばかりが集まっていても問題です。練習なんてしなくたって勝ってしまいますからね。
また、体育の授業中、子どもは運動神経の良い友達の姿をみて学習することが非常に多いので、授業においてもクラス全体の運動能力のバランスは無視できません。
リーダー性
クラス替えをする際に重視するのは、学習面だけではありません。
いわゆる、人望があり皆を引っ張っていける人間かどうか、というところもポイントの一つです。
学校は学習するためだけに行くわけではありません。集団生活に慣れ、社会性を身に付けていくことや、友達と協力しあったり、思いやりの気持ちを育むことも求められています。
そんな中、クラスでリーダーシップをとってみんなを良い方向へ導いてくれる子どもがいると、教師はとても助かります。
この、「良い方向へ」というところがポイントですね。
リーダー性はあるけど、皆を間違った方向へ引っ張っていかれては困りますから。
ピアノが弾けるか
こちら、音楽専門の先生がいる学校によっては重視されない場合もあります。
合唱コンクールや大きな行事などで、ピアノの伴奏を子どもにさせる時に、クラスに一人もピアノを弾ける子がいないと問題です。
他のクラスはみんな子どもが弾いているのに、あるクラスだけ先生が弾いていたら目立ちますね。
それがコンクールなどの場合には、他のクラスと平等でなくなってしまいますし。
個人的には、私は行事で子どもにピアノを弾かせるのは賛成です。もちろん、音楽の先生が弾いた方が上手いんですけど、そんなんどうでもいいんです。
上で書いたような、リーダー性はない、授業中の発言もできない、でも頭はいい。
というタイプの子で、ピアノを習っている子は一定数いるんですよね。
そういった子が大舞台で目立てるチャンスですから!
すごい手がかかる子
発達障害がある子、暴力的な子、いじめっ子など、教師の手を煩わせる子どもは均等に分けます。これは言わずもがなですね。
そういう子たちが固まっていると授業は進まないし、素行の悪い子同士かたまって更に強い悪魔になる場合がありますから・・・
友達関係
さあ、一番教師の頭を悩ませるポイントがこちらです。
この、友達関係ってポイントがなければ、能力が均等になるように分けるだけなんで、クラス替えなんて1時間もあれば終わるんですよ。
でも、数値で表せない「子どもの相性」も考慮しなくてはいけないので、長時間かかるんですよね。
実際にあったケースはこんな感じです
「A君はB君と一緒だとろくなことしないから離そう」
「CさんとDさんはいつも二人でくっついていて他の子と遊ぼうとしない。離そう」
「E君とF君はG君を低学年の時にいじめてたらしい。G君は二人と一緒にならないようにしてあげよう」
「あの高級マンションに住んでいる子どもたちはみんな賢いけどつるむとろくなことがない。離そう」
「Hさんは発達障害があって手がかかるが、Ⅰさんがいると落ち着く。一緒にしてあげよう」
「Jさんの家って学区の端っこですごい遠いよね。Kさんも同じ方向だから一緒のクラスにしたら一緒に帰れるね」
などなど・・・・
とにかく色んな理由で子どもたちの紙があっちへこっちへ飛び交います。
本当に、骨の折れる作業です。
こちらの記事もお読みください。 元教師が解説。あの子と別のクラスにしてって頼んでいいの?
保護者同士の相性
そして、忘れてならない、保護者のこともちゃんと考えています。
一つ前の記事に書いた通り、クラス替えは、昔の担任や保健室の先生、校長先生なども一緒に行います。
元教師が暴露する、クラス替えの方法② こんなに大勢で決めている!
今の担任が知らなかった過去の保護者間トラブルをご存じの先生がいたら、その意見も踏まえてクラスを分けます。
多いのが、
「〇〇君が投げた石が△△君の目に当たって流血して大変だったのよね。でも〇〇君のお母さんが、自分の子は悪くないっていってさあ。それで△△君のご両親が怒っちゃって、〇〇君の家に怒鳴り込んでいってさあ・・・」
というような、誰かが誰かをケガさせた(もしくはいじめた)んだけど、うまく和解できなかったというケース。
これ、1年生の時のトラブルでも6年生まで持ち越しますから。
こういうトラブルがあった子ども同士を一緒のクラスにはしません。
双子、いとこなど
幼稚園までは、双子やいとこ同士が同じクラスになることも多いです。小さい子はそれで安心しますし、参観日など保護者も助かりますからね。
しかし、小学生になると、子どもたち自身が一緒のクラスになることを嫌がるケースも多いです。なんとなく恥ずかしいんでしょうね。
子どもたち、家でのキャラと学校でのキャラって違うと思うんですけど、やっぱり学校でそれを家族にみられるのって気まずいんじゃないでしょうか。
逆のパターンもあって、これは女の子の双子に多いのですが、仲良しすぎていつもくっついているから友達の輪が広がらないという可能性もあります。
ですから、双子やいとこなどは基本的にはクラスは分けます。参観日の時には保護者の方は大変ですけどね・・・
以上、学校によって多少違いはあるかもしれませんが、大体こんな感じでクラスを編成しています。
結構大変な作業なんですよ~。
この子、問題あるからこっちのクラスにうつそう。
あ、そうするとあの子と一緒になっちゃうわ!じゃああの子をうつそう。
あ、そうしたらこのクラス誰もピアノ弾けないじゃん。
といった風に、次から次へと問題が見つかるんですよね(笑)
先生たち、頑張って決めたクラスなんで、
「親友と離れ離れになった~~~!!!」
とかいう理由で文句をいうのはやめてね(笑)
元教師が暴露する、クラス替えの方法① 時期は?毎年する理由は?
元教師が暴露する、クラス替えの方法② こんなに大勢で決めている!